ジャーナリスト・ChatGPTに個人開発したアプリの取材をしてもらう

ジャーナリスト・ChatGPTに個人開発したアプリの取材をしてもらう

ChatGPTで文章生成をしたことはありますか?ビジネス文書やメールの下書きなどで使われる方も多いと思います。そんなChatGPTの使い方の一つとして今回やってみたのは 「ChatGPTをインタビュアー役にして取材してもらう」 という活用です。

前回、私が開発したアプリケーションについてインタビュー記事を公開しましたが、その作り方が面白いと友人が伝えてくれたので、今回は インタビュー記事それ自体の作り方 を紹介します。


ChatGPTでインタビュー記事を書くってどういうこと?

通常、自分が作ったアプリをブログで紹介する時は、「こういう苦労があった」「ここを見てほしい」といったポイントを自分の視点でまとめがちです。 しかし、それだけでは読者が本当に知りたい内容とズレてしまうこともありますよね。自分は開発者なので、どうしても技術的な部分に寄ってしまいがちです。そこで今回は、ChatGPTに「ジャーナリスト」となってもらい、ほかの人の視点から取材してもらうことで、読者目線の情報を引き出そうと考えました。

ChatGPTにも、人間と対等な役割を与える

具体的には、 「ChatGPTが質問する・自分が答える」 というインタビュー形式でチャットを進めます。ChatGPTにはアプリのことを根掘り葉掘り聞いてもらい、私はそれに応じて回答し続けるわけです。

実際、インタビュー記事を作るならこのようなステップになるのではないでしょうか?

  1. 読者を想定(ターゲット設定)
  2. 質問の準備(ヒアリング項目のリスト化)
  3. 取材(実際に話を聞く)
  4. 記事の構成を考え、執筆

「◯◯へインタビューして記事を書いてきて!」と言われたら、自分だったらこのような流れになるのではないかと思います。

そこで同じことをChatGPTにもやってもらうわけです。 「まずはターゲット読者を設定して」 「次は質問リストを作って」 「実際に質問して答えを聞いて、それをまとめて記事にして」 ――こんなふうに指示すると、本当にジャーナリストのように振る舞ってくれます。


実際にやってみた

あなたは業界一流のジャーナリストとしてweb開発者である私に、私が開発したrhythm-readerというウェブアプリについて取材を行い、記事としてまとめます。
今回、あなたは記事を執筆するに当たり、ターゲティング、質問作成、取材、執筆を行います。
まず、記事の読者のターゲティングを行ってください。どのような読者層を想定して書いたら良いでしょうか。

ユーザー
アシスタント

ご質問ありがとうございます。「Rhythm Reader」の記事のターゲット読者層として、以下のような方々を想定するのが適切だと考えます:
1. テクノロジー愛好家:最新のウェブアプリケーションに興味がある人々
2. 音楽ファン:リズムや音楽に関連するアプリに関心を持つ人々
3. 教育関係者:新しい学習ツールを探している教師や教育機関の関係者
4. ウェブ開発者:革新的なウェブアプリの開発プロセスに興味がある同業者
5. 学生:効率的な学習方法を求めている大学生や高校生
6. ビジネスプロフェッショナル:生産性向上ツールに関心のあるビジネスパーソン
この読者層を念頭に置いて、記事の内容や tone を調整していくことが効果的だと思います。次のステップとして、これらの読者に向けた具体的な質問を作成しましょうか?

チャットの書き出しはこのように始めました。ポイントは次の通りです:

  • 「あなたは業界一流のジャーナリスト」 と、能力が高い人になることを伝える。これだけで少しだけでも賢くなります!
  • 「今回、あなたは記事を執筆するに当たり、ターゲティング、質問作成、取材、執筆を行います。」 この部分で、先ほど想定したインタビュー記事の作り方を伝えてしまいます。
  • 「まず、記事の読者のターゲティングを行ってください。」 始めにやることを与えます。

1. 事前準備

早速ChatGPTはターゲット層を明確にしてくれました。

  • 音楽愛好家・ミュージシャン
  • 音楽教師、音楽スクールの講師
  • テクノロジーに関心がある開発者

この三者が想定読者とすると、いろいろな切り口からアプリ開発について質問してくれそうですね。

続けて どんな質問を用意すれば良いか? もChatGPTにまとめてもらいました。すると、 アプリ開発のきっかけ・特徴・技術面・今後の展望 など、かなり詳細なヒアリング項目のリストが提示されました。

このように、あらかじめChatGPTに「どんな情報がほしいのか」を伝えておくと、まるでプロのジャーナリストが取材準備をしてくれるような質問リストを自動生成してくれるわけです。

では、一つ一つ開発者である私が質問に答えていきます。
実際に対面しているときの様に、深く突っ込むところでは追加の質問を、そうでもなければ次の質問に移ってください。
では取材を始めましょう

ユーザー

2. 取材(実際にChatGPTとやり取り)

次に、実際にChatGPTとの「取材」が始まります。流れとしては、

  1. ChatGPTが質問する
  2. 私が回答する
  3. ChatGPTがより深堀りした追加質問を投げる
  4. さらに回答する

というやり取りを繰り返す形です。

面白いのは、ChatGPTがこちらの回答内容を踏まえて 「じゃあ、それはどうやって実現したの?」深掘り質問 をしてくれるところ。自分でアプリの紹介を順番に書いていくのではなく、会話の文脈を理解してインタビュアーとして振る舞ってくれるので、ほかの人に説明するような 「取材らしさ」 を感じられます。

アシスタント

最後に:ユーザーへのメッセージ
では最後に、Rhythm Reader の新規ユーザーや、すでに使っている人たちへ向けたメッセージ をお願いします!

「このアプリをどんな人に使ってほしいですか?」
「今後の開発に向けて、ユーザーに期待することは?」
「これから試す人に向けて、一言!」
このインタビューの締めくくりとして、開発者の思いをぜひ聞かせてください!

このアプリは、音楽を始めたばかりの初心者、昔の自分自身の手助けになればと思って作っています。いまでも自分の練習の時に使っていますが。ですので、やはり初めは楽譜を見ただけではリズムが取れない初心者の方々に使ってみてほしいです。
非常に小さなアプリなのでアプリストアで見つけることは出来ませんが、URLからChromeやSafariでインストール不要で使うことが出来ます!ですので、一度webページを訪れて使ってみてほしいです。

ユーザー

3. 記事執筆(取材内容のまとめ)

ひと通りの質問・回答が終わったら、最後に ChatGPTに「取材した内容をまとめて記事にしてください」 と依頼します。

もちろん、一発で完璧な文章が出てくるわけではありません。ここで何度か「ですます調で統一してほしい」「この例文のようなテイストで書いてほしい」などとお願いして、リライトを繰り返すのがおすすめです。


ヘッダー画像も作ってもらう

没になったヘッダー画像 (今回は没になったヘッダー画像)

記事の内容が一通り出来上がったら、ブログに載せるときに設定する 画像 も生成してもらいます。
これは単に 「この記事にあうヘッダー画像を作れますか?」 と尋ねましたが、 一発目ではなんだか黒っぽい画面の画像(上の没画像)が出力されたので、 続けて「画面内も白基調でつくってほしいです」 と チャットしたところ、なかなかCGっぽくていい感じの画像が出てきました。

PCやスマホの画面の中身も勝手に作ってしまいますので、ChatGPT (DALL-E)の役目はこれくらいにして、 残りはめ込みの画像を用意して合成しました。


やってみた感想:使い方を工夫すればとても役に立つ

  • 新しい視点や切り口が得られる:開発者本人が「記事にしようとは思わなかった」ような細かなエピソードも、ChatGPTが突っ込んで質問してくれると意外と面白いネタになることがあります。
  • 構成に悩まずサクサク進む:「まずは質問リストを作りましょう」「次は取材をしましょう」という流れをChatGPTが誘導してくれるので、執筆初心者でも躓きにくいです。
  • リライトや編集が前提:ChatGPTはあくまで生成AI。提出された文章は、整合性や自分の言いたい表現とズレている部分がないか、最後に必ずチェックしましょう。逆にいえば、下書きの段階までは大幅に時間を短縮できるので、編集に時間をかけられます。

私は個人的に、開発したアプリの紹介を自分でしようと思うと、何から話していいかわからないと感じていました。 しかし友達に「なに作ったの?」と聞かれるといろいろ説明できるところもありました。 なので、説明する内容は自分から与えて、あとはChatGPTにまとめてもらうという使い方は結構マッチする使い方 なのではないかと思います。

今回はそのような「まとめ方」を「 取材記事 」という形でやってみましたが、 自分一人ではなかなか書き出せない内容をうまくネットに公開できたと思います。

AIを使って記事を作る というと、中身のない記事を量産して結局役に立たないというような悪評が目立つようになったと感じていますが、 中身をきっちり渡してあげれば、なかなかブログには公開できなかった思いやエピソードをより気楽に公開できる、 そんなお助けツールとして非常に便利に使えるのではないかと思います。